もし一介の若手教師が『教育』について追究し始めたら

関心のある事 ①生き方,夢について ②探究のプロセスを重視した授業と資質・能力について ③『学び合い』について ④総合的な「探究」の時間について (神奈川県立高校の理科教師 3年目。)

【探究のプロセスを重視した授業と資質・能力について】

「『探究』の先に見る、コミュニティ・スクール導入校、高校の未来」

 

現任校は、県から「コニュニティ・スクール」のパイロット校に指定されている。

 

以下、コミュニティ・スクールの説明(神奈川県教育委員会HPより)である。

 

コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は、保護者や地域の方などが学校運営に参画できる仕組みです。

生徒たちを取り巻く環境や学校が抱える課題は複雑化・困難化しており、教育改革の方向性や、地方創生等の動向において、学校と地域の連携・協働の重要性が示されています。こうした課題の解決と神奈川の未来を担う生徒たちの成長に向けて、学校と地域が協働で、生徒たちを支える学校づくりを進めることができる、学校運営協議会制度が求められています。

 

Q&A 県立高校に(コミュニティ・スクールを)設置するメリットは何ですか?

これまでの開かれた学校づくりによって培われた、地域・社会との関係を生かした学校運営協議会を設置することにより、

地域の方々や近隣の大学、企業などの協力を得た学校運営がさらに進めやすくなります。また、生徒自らが地域と協働して課題に取り組む学習を実施することで、地域を担う人材の育成や地域の活性化につながるなど、高校と地域の双方に設置の効果が期待されます。

 

<http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f535758/>

 

 

平成31年に全県立高校に導入することで、より社会に開かれた、社会で活用できる力を育成できる学校となることが期待される。

パイロット校には、地域に根ざした学校としての、先進的な取り組みが期待されている。

現任校をはじめとするコミュニティ・スクール導入校の取り組みによって、

今後の高校の地域との関わり方を模索していくことになる。

 

その取り組みのひとつとして、現任校では新たに「学校外の学修」が必履修科目として導入され、

現一年生から、一単位以上の学校外での学習活動を卒業の要件としている。

これによって学校の外に学びの場ができたことは、期待でいっぱいなのだが、

課題も多いだろうと過去の記事でも考えをまとめた。

 

yoake-zeyo.hatenablog.com

  

そしてその課題を解決するために、「総合的な探究の時間」を活用することが重要であると考えている。

なぜなら、総合的な探究の時間を導入するためには、学校での教育活動を一本の軸で通し目標に向かう(カリキュラム・マネジメント)必要があるため、目標や目指す生徒の姿を明確にすることが必須となる。

それが明確になることで、生徒にどのような資質・能力を育むために、どのような活動を期待するのかが見えてくる。

そしてその資質・能力を社会で活用できる力にするために、総合的な探究の時間での活動も考えていく。

 

本題に入る。

現在コミュニティ・スクール導入校として指定されている学校は地域に根ざした学校を目指している。

このような学校に期待する姿は、

「地域で生き、地域を活性化していく人材を育成する学校」である。

 

大学も、それぞれの取り組みに応じて「育成する人物像」を明確にしている。

今後は高校も、その特色をさらに伸ばし、「育成する人物像」を明確にしていくのだろう。

現在進められている統廃合や、特色ある学校づくりの先に、このような高校の姿を期待する。

 

まだまだ大学も「偏差値」を大きな選択の基準にしている人は多いように感じる。

高校を選択するときは当たり前のように「偏差値」を基準にしている。

 

これが少しずつ、「将来このように社会に関わりたいから、このような能力を身につけたい。そのためにこの学校に進学する。」という選択の仕方になるだろう。

このように学校選びの基準を変えるためにも、また転換した価値観に対応するためにも、

高校は「特色ある学校」になるべきである。

 

“地域創生”が課題先進国としてのキーワードである一方で、

一筋縄で解決できる問題でもない。

 

gendai.ismedia.jp

 

だからこそ、本気でその課題に向き合い、解決していくための力のある人材、

その力を身につけられる学校が必要である。

 

現任校の総合的な探究の時間の大きなテーマを「地域創生・地域の活性化」とし、

各々の興味のある分野から探究できるような仕組みが必要である。

 

こうなったとき、

現在の「成績が足りないからこの学校しかいけなかった」という志望理由から、

「地域と密接に関わることができ、地域を盛り上げるためのノウハウが学べる」という志望理由に変わっていくことを期待したい。

 

『探究』は答えのない時代に問題を解決するための、最も基礎的な能力となる。

そのために各教科でベースとなる思考力等を育成することが重要なのである。

 

現在コミュニティ・スクール導入校として指定されている学校の多くは、

『探究』を通して地域を活性化する方策を学べる学校になる必要があるだろう。

 

同様に、「国際的な問題を探究できる学校」「環境問題を探究できる学校」「ICTの社会での活用を探究できる学校」など、たぶん学校の特色はもっと多岐にわたるだろう。

 

こうなることを想像するだけで、かなり楽しみである。

 

人間の能力はさらにトガり、世界はもっと面白くなる。